番外編(川島雄三作品) NEW2015.12.24
『イチかバチか』@ 川島雄三監督
1963年 東宝


川島雄三監督の遺作『イチかバチか』。
城山三郎原作、菊島隆三脚本。
大工場建設を計画している鉄鋼会社社長・島千蔵(伴淳三郎)とその誘致を目論む地方都市の市長・大田原泰平(ハナ肇)を中心に、
二人を取り巻く人物たち(高島忠夫、団令子、山茶花究、水野久美など)の駆け引きを描いた社会派喜劇です。
本作はDVD化、ビデオ化されたことがなく、テレビ放送もほとんどされず、川島映画特集でも上映される機会の少ないレアな作品ですが、
遺作とは思えない優れた川島演出と魅力的なキャストたちの傑作映画です。川島ファンでも観ている方は少ないかもしれません。
本作でハナ肇が演じる大田原市長の市は「東三市(とうさんし)」という架空の市ですが、名前からも類推できるように
愛知県の東三河地方にある「蒲郡(がまごおり)市」をモデルにしてロケーションをしています。
先日、愛知県に所用があり、そのついでに蒲郡市に立ち寄り撮影してきました。
なお今回のロケ場所探索については『秋立ちぬ』の時にも情報提供いただいた麻布田能久HPの管理人さんの全面的な協力を得ました。
麻布田能久HPの管理人さんありがとうございました。
管理人さんもご自身のHPにて今後地図入りのより詳細な『イチかバチか』ロケ地紹介をされることと思います。

写真が多いので@とAに分けます。DVDもないので以前スカパーで放送された録画から画面写真も小さく入れます。


映画で市の全体を見渡す場所として何度が登場する「いろは峠」。
写真は蒲郡市の西にある「三ヶ根山スカイライン」の途中の場所。
前の木が高くなっているが、正面に見える山の形、海の風景などほぼこのあたりの場所で間違いないかと。
「いろは峠」という名前は映画の中の架空名称のよう。




映画のラスト前、大田原市長(ハナ肇)を追放しようと市議会議員・松永(山茶花究)たちが演説を行う市庁舎の屋上。
それに続いて鉄鋼会社社長の島千蔵(伴淳三郎)が市長を擁護する演説を行う。
蒲郡市役所の旧館の屋上にまだ演説をした建物が残っていた!奥の高い建物が新館。






東京から島社長の代理として東三市にやって来た部下・北野真一(高島忠夫)が宿泊する割烹旅館「東月亭」。
これは麻布田能久HPの管理人さんの調査によると、実在した「海月」という割烹旅館で、写真の真ん中の住宅の場所にあったとのこと。
写真左手前の白い建物は「蒲郡市民会館」。
このあたりは映画当時から埋め立てられたので当時の位置関係をイメージするのはなかなか難しい。
「東月亭」の従業員役として登場する塩沢とき。
彼女の話す「のんほい りん だら じゃん」という三河弁がとても上手だそうだ。(麻布田能久HPの管理人さん)
画面写真の下は「東月亭」の部屋から海を見たショット。埋め立て前はもっと海に近いところに建っていたことがわかる。





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